何故、幸福な家庭は全て似かよっているのに、不幸な家庭はどこも不幸の趣きが異なっているのか?
あんた、聖書を読んでごらんよ、チャーリィ、人間ってもんは、主がはじめに教えてくださったこと以上のことを知りたがっちゃいけないんだってことがわかるよ。
アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス 早川書房
赤字の見出しの意味はトルストイの「アンナ・カレーニナ」の冒頭の文章からの引用です。何故、そんなことを考えるようになったのか、それがサブタイトルにある生成AIとどんなつながりがあるのか? 全ては30年くらい前に私と『ある謎』との出会いにさかのぼります。その謎に出会ってから私は長い間、その謎に魅了され続けてきました。そして、その謎を解くために長い間、そのことを考え続けてきました。
その謎を解くために私が取った方法は、数多くの文献に当たることでした。文献はその謎に直接関係する分野はもちろんとして、間接的に関係しそうな分野も含まれ興味の幅がどんどん広がっていきました。私は調べを進めるうちに、アンナ・カレーニナの冒頭の文章を裏付ける複数の文献と出会いました。それは私にとってとても印象深いものでした。
さっそくですが、生成AIに下記の質問しました。GoogleのGeminiを使用しました。
質問:トルストイが自分の作品の中で「幸福な家庭は全て互いに似通ったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸の趣きが異なっているものである」と言っているが、どうしてトルストイはそのように思ったのでしょうか?
それに対するGeminiの回答は以下の通りです。
Geminiの回答
トルストイは、幸福な家庭は、家族の絆や愛情、信頼などの普遍的な価値観を基盤としているため、その構成は基本的に似通ったものになると考えたのでしょう。一方、不幸な家庭は、その原因が家庭内の人間関係、経済状況、社会環境など多岐にわたるため、その不幸の形もそれぞれ異なったものになると考えたのでしょう。
具体的には、トルストイは、幸福な家庭の特徴として、以下のようなものを挙げています。
- 家族の絆や愛情が深い
- 夫婦が互いを尊重し、支え合っている
- 子どもたちが愛情を受けて育っている
- 家族が共通の目標や価値観を共有している
このような家庭は、家族の幸福を実現するために必要な要素を備えているため、その構成は必然的に似通ったものになると考えられます。
一方、不幸な家庭の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 夫婦間の不仲
- 経済的な困窮
- 子どもの虐待やネグレクト
- アルコールや薬物中毒
- 精神疾患
- 不倫や浮気
これらの原因は、家庭内の人間関係、経済状況、社会環境など多岐にわたるため、その不幸の形もそれぞれ異なったものになると考えられます。
例えば、夫婦間の不仲が原因の不幸な家庭では、夫婦のすれ違いや争い、一方的な支配などが見られるでしょう。経済的な困窮が原因の不幸な家庭では、生活苦や不安感、子どもの教育機会の喪失などが見られるでしょう。子どもの虐待やネグレクトが原因の不幸な家庭では、子どもの心身の傷害や、将来への不安などが見られるでしょう。
このように、トルストイは、幸福な家庭と不幸な家庭の特徴を比較することで、それぞれの家庭がどのような要素によって支えられているのかを理解しようとしたのでしょう。そして、その結果、「幸福な家庭は全て互いに似通ったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸の趣きが異なっているものである」という結論に至ったと考えられます。
以上がGeminiの回答ですがポイントは「普遍的な価値観を基盤としているか、していないか」です。
家庭という人類の歴史の長きにわたる普遍的なテーマにおいて、その根底にある価値観というのは基本的に大きくは変わらないということでしょう。だから幸せな家庭というのはどこも似通ったものになるわけです。
ここでトルストイの言葉を裏付ける具体的事例を以下に掲げます。
こうしたデータ分析を、22年間、欠かさず続けてきた結果、見えてきたことは多い。「まず、経営の良い病院は似ているが、経営の悪い病院はそれぞれ異なった要因を抱えていることに気づきました。また、①給与費、②看護師一人一日あたり収入、③外来患者数、④病床利用率、⑤医師の年齢、⑥患者一人当たり入院単価(=難しい疾患を扱っているか)といった指標が特に経営を左右することも、次第にわかってきました」
(Phase3 :最新医療経営2006年11月号 第2特集 情報過多時代を生き抜く! 病院を変える”データ経営”術 完全指南)
どうでしょう? これなんか明らかにアンナ・カレーニナの冒頭の文章にぴったりだと思いませんか。つまりアンナ・カレーニナに書いてあることは家庭だけはなく会社にもあてはまります。会社も儲かるためには普遍的なポイントというのが業界や業種ごとに存在していて、いかに重要なポイントを実践できているかが経営の鍵になります。これらのポイントについて多くの企業は重要な業績評価の指標を意味するKPIを各数値の管理に利用するのが一般的です。このウェブサイトでは幸せな家庭と不幸せな家庭、良い経営と悪い経営など情報の非対称性が我々の社会に及ぼす影響を大きなテーマの1つにしています。
ところで今掲げた事例は病院経営に関するある病院の1例ですが、これ以外にも同じパターンは存在するのでしょうか?
あるいは違うパターンというのも存在するのでしょうか?
違うパターンというのは以下のものです。
- 良い経営の原因は多岐にわたり、悪い経営の原因はどこも似通っている
- 良い経営も悪い経営もその原因は多岐にわたっている
- 良い経営も悪い経営もその原因は似通っている
ここから先は、30年前に時間を巻き戻します。